佐賀農業賞50周年記念式典で、歴代受賞者発表を行う平田憲市郎、志緒梨夫妻=佐賀市のホテルマリターレ創世佐賀

 佐賀県の農業の発展に功績があった人をたたえる佐賀農業賞(佐賀県主催、佐賀新聞社など後援)の50周年式典が26日、佐賀市のホテルマリターレ創世佐賀で開かれた。歴代受賞者の代表が登壇、佐賀農業発展へのメッセージを発表した。

 同賞は佐賀農業経営コンクールとして始まり、延べ1107の経営体を表彰してきた。式典には受賞者や農業団体などが出席、歴代受賞者2組が発表で自身の経営に触れ、佐賀農業にエールを送った。

 キュウリ栽培の名人で、トレーニングファームで指導に当たる武雄市の山口仁司さん(72)は、災害に強いハウス、環境制御技術のいち早い導入を振り返った。後進の育成では「5年、10年後は農業のビジネスチャンスと言われる。まずは1億円を目指す農家を育てたい」と力を込めた。

 カーネーションやトウガラシを生産販売するクラベル・ジャパンを経営し、ともに受賞歴がある平田憲市郎さん(44)、志緒梨さん夫妻(40)=唐津市=は、農作業のマニュアル化や労働環境を整え家族経営から雇用型経営に転換した経緯を説明。「世界情勢や異常気象で先が見えないからこそ、何を目指すかを決めることが必要」とビジョンの重要性に触れた。

 また、第50回表彰式も開かれ、本年度受賞者の18個人・団体に山口祥義知事から表彰状が贈られた。(古賀真理子)

 (受賞者の取り組みを後日、農業面で紹介します)