不登校の経験者が自身の体験を話す講演会がこのほど、佐賀市のメートプラザ佐賀で開かれた。不登校にはさまざまな原因があることや、周囲の人たちによる支えの大切さを伝えた。
小学6年のちづるさんはある日突然ドアノブにしがみついて大声で泣き、登校できなくなった。「自分が不登校になるとは思わなかった」と話し、「不登校を悪いことだとは思わないでほしい」と訴えた。
長引く風邪で休んでから小学校に通えなくなった太田知菜さん(35)=佐賀星生学園支援員=は「陰口を言われているんじゃないかという不安が常につきまとい、自信が持てなくなった」といい「母が信じて見守ってくれて、できそうなことを少しずつ積み重ねた」と振り返った。
不登校の孫がいる参加者から、夜型の生活を抜け出すきっかけを尋ねられたきょうさん(20)は「アルバイトなど本人がやりたいことを見つけ、『間に合うようにね』と自主性を尊重した声かけがうれしい」と答えた。
講演会は佐賀県不登校の親の会ネットワークが主催し、約70人が聴講した。(上田遊知)