九州・沖縄地区の百貨店の2022年度売上高で9番目だった佐賀玉屋=佐賀市

 帝国データバンク福岡支店がまとめた九州・沖縄地区の百貨店の2022年度売上高ランキングで、1位は岩田屋三越(福岡市)の360億7300万円だった。上位10社の合計売上高は1512億100万円で、うち7社が会計基準を変更したことで10社合計は減収し、前年度比54・2%減となった。変更前では10・5%増加している。佐賀玉屋(佐賀市)は4・1%減の46億3700万円で9位だった。

 2位は井筒屋(北九州市)で売上高188億3600万円、3位は鶴屋百貨店(熊本市)が187億6100万円、4位トキハ(大分市)171億7400万円、5位山形屋(鹿児島市)158億4千万円。博多阪急(505億6300万円)は運営企業の本店が大阪市にあるため集計では参考としている。

 1位の岩田屋三越は、インバウンド向けの時計などの高額品が売れており、新型コロナの行動制限が緩和されたことで旅行用品が好調だった。インバウンド需要は福岡や沖縄などが高く、9位の佐賀玉屋について同福岡支店は「業界がインバウンドやアフターコロナで息を吹き返している中、うまく波に乗れていないようだ」と分析する。

 全体の売上動向については「業界にはいい波が来ているが、恩恵を受けているのは観光地やインバウンド需要が旺盛な地域に限られる」と説明した。今後については「郊外型商業施設やネットショッピングとの競合は加速している。百貨店が得意とする接客を高めたり、実店舗でしか味わえない買い物体験を創出したりする取り組みが必要」と指摘する。(北島郁男)