不眠症について講演する佐賀大医学部附属病院精神神経科講師の國武裕氏=佐賀市の佐賀メディカルセンター

 第13回佐賀県医師会「県民“はつらつ”公開セミナー」(県医師会、佐賀新聞社、エーザイ共催)が18日、佐賀市の佐賀メディカルセンターで開かれた。約100人が訪れ、不眠症や認知症に関する講演に熱心に耳を傾けた。

 佐賀大医学部附属病院精神神経科講師の國武裕氏が、不眠症とメンタルヘルスの関連性について講演した。國武氏は日本人の平均睡眠時間が世界と比べて約1時間短く、全世代の2割が睡眠で十分な休養が取れていないと説明し、「睡眠が短く休養が取れていないと、死亡リスクは1・5倍になるという研究結果があリ、うつ病や認知症との関連も指摘されている」と不眠のリスクを示した。

 また「年齢を重ねると、寝付きが悪くなり睡眠不足ではと心配する人もいるが、翌日の活動ができていれば足りている」とし、「昼間眠気があるときは、20分程度昼寝するなどしてバランスを取って」と呼びかけた。

 認知症予防について講演した同院脳神経内科の鈴山耕平助教は「だれでも年を取れば認知機能は衰えていくが、最近の研究で、約40%は予防できることが分かっている」と話し、リスクを軽減できる食事や運動などの方法を紹介した。(石井亜由美)