佐賀県内をはじめとする多彩な伝承芸能が一堂に会する「第6回佐賀県伝承芸能祭」(県主催、佐賀新聞社など共催)が19日、佐賀市で開かれた。SAGAアリーナでは初開催で、県内14団体と県外4団体の総勢約900人が、自然や神と人々をつなぐすべとして受け継がれてきたパフォーマンスで観客を魅了した。
鳥栖山笠(鳥栖市)は、6台の山のうち4台が出演。前後に激しく揺らす「総がぶり」では、山をコンクリートの床に打ち付ける衝撃音や倒れんばかりの傾きに歓声が上がった。
県外から特別出演した広島県安芸高田市の3団体による芸北神楽は、須佐之男命(すさのおのみこと)による八岐大蛇(やまたのおろち)退治を壮大に描いた演目で観客を圧倒した。雅楽師の東儀秀樹さんや、唐津市出身の篠笛(しのぶえ)奏者佐藤和哉さんも出演した。
鹿島市内の7小学校の3、4年生約250人が、次世代の担い手にふさわしい元気な面浮立を披露し締めくくった。祖父らが鳥海(とのみ)浮立(武雄市)に出演した草場彩羽(いろは)さん(9)=伊万里市=は「キレキレで格好良かった。伊万里のトンテントンや芸北神楽も迫力がすごかった」と目を輝かせた。(志垣直哉)