< Patisserie Nn >

黄色いコンテナハウスが目を引く。向かって左側の小窓で販売

 

 唐津市の国道202号沿いに7月、「Patisserie Nn」がオープンしました。「Nn(エヌン)」とは店主・谷口直子さんが考えた造語。名前のイニシャル「N」の大文字と小文字を組み合わせることで、大人から子どもまで、幅広い世代の人に菓子を届けたいという思いを込めています。
 

 谷口さんは唐津市出身。専門学校を卒業後、東京や大阪のホテルやレストランでパティシエとしての経験を積み、Uターンして開業しました。店舗は黄色いコンテナハウス、小窓での販売です。「1人で切り盛りするので小さな店がいいと思ったんです」と谷口さん。地域の人たちの日常に溶け込む、気軽に立ち寄ることができるような店を目指しています。

店主の谷口直子さん。「レストランなどでアシェット・デセール(皿盛りのデザート)を作っていたので、できたてのデザートもいつか提供したい」と夢を語る

 

 店頭に並ぶのは、プリンやシュークリーム、ロールケーキなどの生菓子と、パウンドケーキやクッキーなどの焼き菓子。ラインアップは日によって変わります。「型にはまらず、自由に、いろんな菓子を作りたいと思っています」。谷口さんが作るスイーツは、一見シンプルだけど、味わいや食感にひと工夫が光るものばかり。

オレンジのリキュールをきかせたクリームがたっぷりの「シュークリーム」(320円)。「プラリネショコラケーキ」(1600円)は、日が経(た)つにつれて味がなじむので、その変化も楽しんで(予約可能)

 

 例えば、人気商品の「プラリネショコラケーキ」は、アーモンドペーストやヘーゼルナッツピューレを混ぜ込みナッツの風味を加えたしっとり口溶けのよいチョコレート生地に、キャラメリゼしたナッツをのせ、緩急のある味と食感に仕上げています。地元養鶏場の平飼い卵を使った「エヌンプリン」は、まったりなめらかなプリンと苦みをきかせたカラメルのバランスが絶妙で、最後まで飽きずに食べられます。そんな谷口さんのスイーツに既に魅了された人も多く、オープンから3カ月にも関わらず、何度も訪れるリピーターもいるそう。

平飼い卵で作る「エヌンプリン」(290円)と、栗入りの「からつ茶ロールケーキ」(400円)。地元食材も積極的に使うようにしている

 

 テイクアウトが基本ですが、コンテナ前にあるテーブルと椅子をイートインスペースとして利用することも可能。季節ごとに変わるドリンクメニューと合わせて、買った商品をすぐに味わうことができます。小窓での販売なので、ベビーカーやペット連れで利用しやすいという利点も。

焼き菓子も種類豊富で手土産や贈り物にも重宝しそう。パウンドケーキは250円~。ビターなカカオ生地に岩塩を合わせた「カカオサレ」(200円)や甘くない「チーズサブレ」(130円)など変わり種もぜひ

 

 「まだオープンしたばかり。新しい商品はもちろん、マルシェに出店したり、できたてスイーツを提供するイベントを開いたり、やってみたいこともたくさんあります」― 唐津の街に誕生した小さな小さなパティスリーは、大きな可能性を秘めています。(岩永真理子)
 

 

DATA

住/唐津市鏡3485-4
電/050-1807-7722
営/11:00-18:00
休/火曜+不定
駐/あり
IG/natelier.sk 
他/電話での取り置きも可能

 

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