ハイレゾが事業に活用する旧有徳小=玄海町諸浦

進出協定を締結したハイレゾの志倉喜幸社長(左)と脇山伸太郎町長=玄海町役場

 データセンター運営などを手がけるハイレゾ(東京、志倉喜幸社長)が玄海町と進出協定を結んだ。廃校となった旧有徳小の校舎にAI(人工知能)向けデータセンターを開設し、2024年6月にも業務を始める。

 同社は2007年12月に設立。従業員29人で、22年9月期の売上高は6億1545万円。校舎は鉄筋コンクリート3階建てで、延べ床面積約2089平方メートル。既存の施設を活用することで費用を10分の1程度に抑えられるといい、他地域に比べて電気料金が安いことも進出の決め手となった。

 初期投資額は2億~3億円で、従業員数は5~10人を予定している。旧有徳小を含む町内4校の校舎を活用する構想があり、サーバーの廃熱を利用した農業なども計画しているという。同社は石川県志賀町にもAIデータセンターを運営しており、玄海町は2拠点目となる。

 10月25日に町役場で行われた締結式で、脇山伸太郎町長は平野部が少なく、企業の進出が難しい地理条件に触れ「学校の跡地を利用して進出していただき、夢がかなった気持ち。一緒に発展していきたい」とあいさつした。志倉社長は「新たな産業を生み出し、社会課題の解決に向け、日本中にいいメッセージを発信したい」と力を込めた。(松岡蒼大)