中央の交差点が唐房バイパスの終点。右手奥から伸びるバイパスを抜けると幸多里の浜が姿を現す=唐津市鳩川(佐賀県提供)

 佐賀県が唐津市の佐志浜町-鳩川間に整備している国道204号「唐房バイパス」が11月12日に開通する。市中心部から呼子方面への移動がスムーズになるほか、さらには幸多里(こうたり)の浜や相賀(おうか)の浜、立神(たてがみ)岩といった絶景の海岸線を走るドライブロードが誕生。県は唐津の海を愛したフランス人ダイバー、ジャック・マイヨールの自伝映画「グラン・ブルー」にちなんで波戸岬までの20キロを「ルート・グランブルー」と名付け、新たな誘客のツールとして発信する考えだ。

 国道204号の唐房区間は道幅が狭く、沿道に住宅が密集。そのため、唐津市中心部から呼子地区に行くには山側の県道唐津呼子線がメインルートとなっていた。11月12日に開通する唐房バイパスは延長2キロ。トンネルや橋で住宅密集地を避け、一気に海岸沿いへ抜ける。県道と合流する唐房入口交差点の渋滞緩和や災害時の緊急輸送道路としての機能が期待される。

 バイパスの一部区間には旧国鉄呼子線の線路敷やトンネルを活用した。呼子線は1964年に事業化されたが、国鉄の経営悪化で82年に中止。電車が走ることがなかったトンネルを拡幅し、道路トンネルとして生まれ変わらせた。

 2005年に事業化し、当初は23年3月末の開通を目指していたが、のり面の一部で崩落や亀裂を確認。事業期間を延長し、追加工事に1億円をかけて総事業費は84億円となった。

 山口祥義知事は「バイパスができたことで一直線に海側に抜け、美しい海岸線を走りながら名護屋城跡に行けるようになる。この道を『ルート・グランブルー』と名付け、情報発信していきたい」と意気込む。(栗林賢)