「琉球に勝って全国を驚かせて」-。バスケットボール男子のBリーグ1部(B1)が5日に開幕するのを前に、今季から国内最高峰の舞台に臨む西地区の佐賀バルーナーズ(佐賀市)の「ブースター」の熱気は高まっている。B1の先陣を切って唯一行われるSAGAアリーナ(同市)での開幕戦に、全国から注目が集まる。
バルーナーズは昨季、B2西地区首位でB1昇格プレーオフ(PO)に進出。POは6戦全勝で初の年間王者に輝き、クラブ創設5年でB1昇格の切符をつかんだ。開幕戦では、昨季B1年間王者の琉球ゴールデンキングス(沖縄)を本拠地で迎え撃つ。
バスケットボールで特定のチームを熱心に応援するファンをブースターと呼んでいる。Bリーグの各試合会場では、観客席からのブースターのかけ声や拍手が選手を後押ししている。
昇格を勝ち取ったメンバーのうち7人が「佐賀のために」戦う決意を固めて残留した。中でも、高い身体能力と得点力が武器のチェイス・フィーラー選手の存在は大きい。ブースターの佐賀市の津和崎葉月さん(35)は「フィーラーは佐賀を離れないで残ってくれた」と目を細める。公務員の永富友樹さん(35)は、山下泰弘主将の人柄の良さを挙げて「ベテランらしい味のあるプレーで引っ張って」と話す。
POを観戦した今村亮さん(26)はブースター歴こそ浅いが、角田太輝選手に目を付け「昨季飛躍し、B1でも通用すると思う」と太鼓判を押す。パリ五輪出場を決めた日本代表の河村勇輝選手(横浜ビー・コルセアーズ)を引き合いに、同じポジションの角田選手がB1で活躍して日の丸を背負う姿を切望する。
チームに今季から5選手が新加入した。佐賀市の徳久葵さん(35)は「3点シュートを決める確率で成績を残している」と遠めからのシュートを得意とする狩野祐介選手を推す。NBAでのプレー経験を持つヨーリ・チャイルズ選手の豪快なダンクシュートなど、新戦力が新しい風を吹き込むことを心待ちにする。
会社員の成清絵美さん(42)は「琉球は強い。そこに勝ってBリーグを騒がせてほしい」と胸を躍らせる。B3時代から応援する原加奈美さん(35)は「臨場感やスピード感があり、試合を1度見たらはまる魅力がある」と多くの人が集まることを望む。SAGAアリーナの約8400の観客席を埋め尽くし、初陣のチームを“B1仕様”の熱い応援で後押しする。(小部亮介)