嬉野市の旅館「和多屋別荘」が客室を改装したシェアオフィスに営業所を置き、化粧品の企画と販売を手がける「ボンジュール」。起業したのは新潟県出身、26歳の吉田明以(めい)社長。放射線治療の後遺症に悩む母親が嬉野温泉での湯治で改善したとして佐賀県に移住した。「温泉水」を活用した商品開発に母娘で奮闘している。
きっかけは、母のあづささん(57)ががんを患ったことだった。摘出して退院したが、放射線治療による肌のかゆみや発疹などの後遺症に悩まされた。治療のために全国の温泉地を巡り嬉野温泉にたどり着いた。「毎日温泉につかると1週間ほどで肌のかゆみが消え、1カ月後にはアレルギー反応を抑える薬も不要になった」という。