中国の水産物輸入停止問題で、有明海のクラゲ漁への影響に懸念を示す鹿島市の松尾勝利市長=鹿島市役所

 福島第1原発の処理水放出を受けて中国が日本産水産物の輸入を全面停止した問題で、鹿島市の松尾勝利市長は4日、有明海のクラゲ漁への影響を指摘し「クラゲ漁は夏場の貴重な収入源。輸入停止の影響を受けているところは、東北だけでなく、九州を含めて、国からの支援をお願いしたい」と述べた。

 同日の記者会見で答えた。松尾市長は「中国が輸入停止を表明する8月24日まではクラゲ漁が行われていたが、表明後は取引業者も不安がっている。中国にクラゲを送れないので、国内の中華料理関連に値段を下げてでも在庫を販売する努力をしている」と現状を説明し、「(輸入停止が)今年だけではなく、来年まで続けば、有明海のクラゲ漁にも大きな影響が出てくる」との懸念を示した。

 県水産課によると、佐賀など有明海沿岸4県でビゼンクラゲの中国への輸出額は約25億円に上る。中国の日本産水産物輸入停止を受け、政府は水産事業者への緊急支援策を準備している。(山口源貴)