「本当に大切なものを大切にしていない。自分たちの良さをうまく伝えて」と話す丸山さん(中央)=佐賀市の浪漫座

 ファッションブランド「KEITA MARUYAMA」のデザイナー丸山敬太さんの講演会が8月29日、佐賀市の浪漫座で開かれた。人気ユニット「ドリームズ・カム・トゥルー」の衣装を30年以上手がけるなど、第一線で活躍し続ける丸山さん。ファッション分野を例にコラボレーションを成功に導くポイントを、県内の起業家らにアドバイスした。

 丸山さんは文化服装学院(東京)を卒業後、ビギグループの「キャトルセゾン」に勤務。1990年にフリーになり翌年、初めてドリカムの衣装デザインを担当した。94年にブランドを設立し、パリや香港など世界でコレクションを発表している。ドリカムはデビュー時からのファンで「周囲に言いまくって、つてを見つけ、メンバーにデザイン画を見てもらってからのスタートだった」と振り返った。

 大手企業などとのコラボ企画を数多く監修してきた丸山さん。コラボを依頼される際は「なんでマルヤマケイタなのか。僕で何をしたいのか。この二つが明確であること」を重視すると言い、「何を望み、何を求めているのか、誰にどんなふうに喜んでもらいたいかが大切」と目指す成果を具体化するよう求めた。

 自身のブランドとコラボするルームスプレーや焼き物が作られていることから、佐賀にもたびたび訪れるという。「自然豊かで文化があるのが魅力。どういう人に来てほしいのか。ただ見せ方を変えるだけでいい。ちょっとしたことに気付くか気付かないかがすごく大きい」と話し、「相手の目線で見ると何が望まれているのか分かる」と魅力づくりのヒントを伝えた。

 コスメティック構想の取り組みの一環として、県が美と健康をテーマとした新規ビジネスを支援するプログラムとして開催。約100人が聴講した。(福本真理)