大作を生ける講師の桑羽なゆこさん(左)=佐賀市のアバンセ

 華道家元池坊の「池坊巡回講座-Ikenobo2023-」が16日、佐賀市天神のアバンセで開かれた。池坊華道を学ぶ愛好家ら約230人が集まり、受け継がれてきた心と技を学んだ。

 池坊中央研修学院の桑羽なゆこさんが講師を務め、講義とデモンストレーションを実施した。歴史を大事にする立花(りっか)、素材を生かした生花(しょうか)、現代の暮らしに合う自由花の様式で全10点を生けた。緑が濃いモミジや涼しげなアジアンタムなど、手に入りやすい素材を使って季節感あふれる作品を完成させた。来場者は要点をメモしながら、身を乗り出して講師の作業を観察していた。

 巡回講座は1952年から始まった。佐賀県内の4支部が合同で開催し、佐賀一誠社支部(内野秋子支部長)が主管した。内野支部長は「大好きだから花を続けている。今の時代にこそ、暮らしの中に花を取り入れて元気をもらってほしい」と呼びかけていた。(花木芙美)