今注目の石棺墓(せっかんぼ)に関し、さまざまな研究が進んでいるようです。来園者からも毎日石棺墓の質問があります。それはとてもうれしいことです。線刻の施された石蓋(ぶた)の材質は、有明海を渡った多良岳の玄武岩でした。物見やぐらから多良岳は良く見えて、お客さまには説明しやすい場所なのですが、やはり遠いですね。
また、線刻のX印は星で、星図を描いたのではないかとの研究もありました。石蓋が公開された時には、7歳の娘も一緒に見学させてもらったのですが「お父さん、これは何かの地図じゃない?」と娘が言いました。でもその時、私は地図という言葉がピンと来なくて「宝の地図だったら面白いね」と答えました。
調べると「漢書」「後漢書」には天文志があって「晋書」天文志では、三国時代に呉の陳卓(ちんたく)が、それまであった星座を283星座、1564星に整理したことが書かれているそうです。中国には古くから星図があったのですね。
でも、その星図を吉野ケ里で石に彫り込むためにはオリジナルの星図が欠かせないはず。それがここにあったのでしょうか。もし本当に線刻が星図であるとすれば、大発見のお宝の地図だと思います。そして、それを棺に使ったあなたは、いったい誰? ますます、妄想が広がります。(吉野ケ里ガイド・福田幸夫)