佐賀労働局は、2023年1~6月の死亡労働災害が、昨年1年間と同じ4件発生し、事業所に発生状況を知らせ、注意喚起を促している。重河真弓局長は「経営トップや労働者一人一人が注意しないと防げない。危ないと思ったら周りに共有してほしい」と呼びかけている。
死亡労働災害は、建設業と製造業が各2件。建設業は道路工事作業中の交通事故と、機械ごと横転して地面と機械に挟まれた。製造業は機械と足場に首を挟まれた事案と、塗料をかき混ぜる作業中の有害物との接触(酸素欠乏症の疑い)だった。年代は50代が2人、60、70代が1人ずつだった。
佐賀労働局は全国安全週間(1~7日)に合わせた労働災害の根絶に向けた取り組みの一環で、今月上旬、ポンプ・水門メーカーのミゾタの製造本部(佐賀市高木瀬西)をパトロールし、転倒や転落につながる危険箇所がないかなどを点検した。製造現場を回り、防じんマスクや保安帽の着用を促す表示、足元につまずく恐れのある配線や溝、物がないかなどを確認、熱中症対策もチェックした。視察後、労働局は危険な場所はなかったと評価した。ただ、暑さ指数が従業員に見て分かるようにすることなどをアドバイスした。(草野杏実)