佐賀県内を襲った大雨で被災した佐賀市と唐津市の山間部で14日、災害ボランティアによる活動が始まった。両市に開設された災害ボランティアセンターが被災者からの依頼やボランティアの受け入れに対応している。浸水したり土砂が流入したりした家屋の片付け作業を通じて、生活再建を支援する。
佐賀市内では富士町麻那古地区にボランティアが入った。近くの川があふれて床上浸水した住宅で泥をかき出し、ぬれた布団などを外へ運び出した。佐賀市の大学生の富﨑敦郎さん(21)は「一日でも早く日常が戻ってほしい」と汗を拭った。
この住宅は90代女性の1人暮らし。息子の嘉村勝浩さん(63)は「畳は浮き上がり、ベッドの上まで水が来ていた。母が避難していなかったらと思うとぞっとする」と振り返る。「数日ではとても片付かない。助けてもらい、感謝しかないです」と話した。
唐津市七山の大屋敷地区では約15人が2班に分かれて活動した。被災した岩村恵美さん(47)は「炊事場に土砂がへばり付くように襲ってきて、生きた心地がしなかった」。昨年11月に亡くなった父の初盆に向けた準備の最中だったといい、「ボランティアが来てくれて本当に助かる」。
県社会福祉協議会によると、佐賀市と唐津市で支援依頼が約20件寄せられている。担当者は「ニーズの確認を進めている。土砂を撤去する作業なので長期化も見込まれる。住宅関連の被災で困りごとがある方は連絡をしてほしい」と話す。(中島幸毅、松岡蒼大)