苔玉作りに挑戦する生徒たち=佐賀市の川副中

織機の使い方を教わりながら、畳表のコースターを作る生徒ら=佐賀市の川副中

ノミとトンカチを使い、石彫の表札を作る生徒ら=佐賀市の川副中

 子どもたちにものづくりの魅力を伝える体験教室が7日、佐賀市の川副中(宮原克法校長)であった。県内で畳の製造や造園、石材加工に携わっている技術者ら約10人を講師に招き、3年生約90人が手仕事の難しさや工夫する楽しさを実感した。県技能士会連合会が例年県内の高校で実施しており、初めて中学校にも対象を広げた。

 生徒たちは畳と造園、石材加工の3班に分かれた。畳の班は小型の織機を使い、畳表のミニコースターを製作。造園のグループは苔こけ玉作りや、盆の上に石や植物を配置する「盆景」に挑戦した。石彫表札の参加者はノミとトンカチで慎重に彫り進めた。

 盆景作りを体験した中原美來(ちゅら)さんは「配置を考えるのが面白く、ガーデニングに興味が湧いた。家でもやってみたい」。畳表のコースターを作った矢山燦(あき)さんは「たくさんの色のい草を組み合わせるのが楽しかった。難しいと思っていたものづくりを身近に感じた」と話した。

 石彫を教えた平川石材(佐賀市)社長で厚生労働省認定の熟練技術者「ものづくりマイスター」の平川勉さん(65)は「粘り強く、できるまでやっていこうという気持ちが大切という話をした。いろいろなことに粘り強く挑戦してほしい」と語った。

 ものづくりの人材育成と確保に向けた県の事業を同連合会が受託している。本年度は高校のほか、川副中をはじめ中学校数校で実施する。(円田浩二)