アーク溶接技能者評価試験の専門級に合格した正木克征さん=唐津市の唐津工業高

アーク溶接技能者評価試験の専門級は、材料が目の前にある状態で臨んだ

 唐津工業高校機械科3年の正木克征(よしゆき)さん(唐津市)が、「溶接技能者評価試験」のアーク溶接で難関の専門級に合格した。同校によると、高度な技術を要する専門級に県内の高校生が合格したのは初めて。

 溶接技能者は日本溶接協会が資格認証している。資格は手溶接や半自動溶接などの溶接法、材料の種類や厚さ、溶接姿勢などの組み合わせで区分される。1カ月以上の溶接経験が条件の基本級と、3カ月以上の経験と基本級の資格取得が必要な専門級がある。対象年齢はいずれも15歳以上。

 アーク溶接は手溶接の一つで、基本級は材料を下に置き、下向きの姿勢で溶接を行う。専門級は材料が壁など作業者の目の前にある状態で行う「立向き」、材料が天井など作業者の上にある「上向き」など、基本級より難易度が高い作業になる。

 正木さんは2年生だった昨年6月にアーク溶接の基本級資格を取得。専門級の試験は今年2月下旬、多久市の県立産業技術学院であり、正木さんは「立向き」に挑んで見事に合格した。「普段の練習より上手くいったが、合格できてびっくりした」と振り返った。

 正木さんは幼い頃からものづくりが好きで、同校に進学した。機械研究部の部長を務め、7月には機械加工(旋盤)2級の試験を控えている。正木さんは「今後も練習を重ね、技術を高めていきたい」と話した。(松岡蒼大)