佐賀県議会文教厚生常任委員会の質疑が28日にあり、県教育委員会は、対話型人工知能(AI)「チャットGPT」の利用に向けたガイドラインを7月中に作ることを明らかにした。教員が実際に使ってみて、推奨される使用例、注意点などを盛り込んで完成させる。人間が書いた文章と見分けが付かないほど自然な回答を返す生成AIの有効性と危うさに関し、教育現場で認識を共有してもらう。
中村圭一議員(自民)の質問に答弁した。
県教委はガイドラインの暫定版を既に策定。AIが生成したものをそのまま使わず、根拠や正確性、表現の偏りなどをチェックするよう促しているほか、教職員個人ではなく、学校全体で利用するかどうかを判断するよう求めている。
暫定版は23日に県立学校に配布しており、教職員のパソコンだけ「チャットGPT」を使用できるようにした。教材作成など幅広い分野で使い、見本となる利用法、注意すべき点を報告してもらう。今夏に示される国のガイドラインも参考にして完成させる。
また、夏休みを見据えて、チャットGPTの安易な使用につながらないような宿題を出すよう注意喚起する通知を今週中に出すという。県教育DX推進グループは「読書感想文などの課題でAIの回答例を丸写ししては、考える力の育成にならない。学校で書いてもらうとか、エッセー風な書き方を学ぶ材料にするとか、考えてもらえれば」と話した。(大田浩司)