パネル討論で竜巻災害を振り返る県防災士会の溝上良雄会長(右)と被災した住民=佐賀市の北川副公民館

竜巻の影響で倒れた電柱=2004年6月27日、佐賀市北川副町

竜巻の被害を伝える2004年6月28日の佐賀新聞

 2004年6月に佐賀市南部で発生した竜巻災害の教訓を語り継ごうと、被害が大きかった同市北川副町で25日、防災研修会が開かれた。被害に遭った住民らによるパネル討論のほか、非常食の展示や炊き出しの試食もあり、竜巻発生から来年で20年を迎えるのを前に、地域住民らが改めて防災意識を高めた。

 04年6月27日に発生した竜巻では、県防災課によると15人がけがをし、47戸が全半壊、農業施設にも被害が出た。パネル討論では、「外の景色が真っ白になる」「ジェット機のような音がする」など竜巻の前兆があったことが紹介され、「地区ごとの被害状況や避難所での炊き出しの情報などが錯さく綜そうした」「非常食などの備蓄品が古く、新しいものにしてほしかった」など災害対応の課題が指摘された。

 県防災士会の溝上良雄会長も討論に参加し「災害時には、特に情報が大切ということを改めて認識させられた。この出来事を忘れず、できることから備えてほしい」と呼びかけ、「被害を受けた住民のリアルな体験を聞け、貴重な機会になった」と感想を述べた。

 研修に参加した同町の矢ヶ部清子さん(72)は「いざという時のために、自宅でも非常食などの備蓄品の期限を確認したい」と話した。(坂本有佐)

竜巻の被害を伝える2004年6月28日の佐賀新聞