子どもたちに地域の豊かな自然を体験してもらおうと、「やながわ有明海水族館」(福岡県柳川市)の館長を務める佐賀大1年の亀井裕介さん(18)が24日、若楠小(佐賀市)の児童と水辺の生き物探しをした。亀井さんが生態を解説しながら魚を網で捕って見せ、子どもたちは目を輝かせながら身近な川の生物について学んだ。
若楠小の児童らが参加する地域子ども教室が、コロナ禍であまり外で遊べなかった子どもたちの思い出作りのため、同水族館に持ちかけた。亀井さんは「現地で一緒に魚を捕って解説する『出張水族館』をやりましょう」と快く引き受け、所属する環境サークル「グリーン・ネクサス」のメンバーと参加した。
若楠小近くの丸川で行い、児童35人が集まった。亀井さんはデモンストレーションとして投網で魚を捕まえ、魚の生態や特徴をサークルのメンバーとともに説明しながら、網を片手に苦戦する子どもたちをサポートした。「館長捕れた!」と声が聞こえると、一目散に駆け付けて一緒に喜んだ。
この日は、絶滅危惧種7種を含む29種、計500匹以上の生き物を捕まえた。普段から川に魚を捕りに来るという3年の川村篤哉君は絶滅危惧種など5匹を捕まえ、「珍しい魚を捕ることができてうれしかった」と笑顔を見せた。観察が終わると、生き物たちを川に戻した。
亀井さんは「予想をはるかに上回った」と成果に驚く一方、生息域や個体数の減少にも目を向け、「生態系の保全のため、人と自然がお互いに発展し合えるような方法を探したい」と話した。亀井さんは、佐賀新聞で「サガそう水辺の生き物」を連載している。(上田遊知)