契約書を交わした冨永祐司会長(左)と岡本泰成理事長=唐津市七山

唐津東商工会がNPO法人七山むらづくり協議会に無償譲渡する七山事務所=唐津市七山

 唐津東商工会(冨永祐司会長)は、2021年5月に閉鎖した七山事務所をNPO法人七山むらづくり協議会(岡本泰成理事長)に無償譲渡することにした。同協議会は環境保全や地域振興を目的にした活動の拠点として活用する。

 唐津東商工会は、平成の大合併に伴い、当時の浜玉町、七山村、厳木町、相知町、北波多村の5商工会が06年4月に合併して誕生した。ただ会員数や職員数が減少し、財政強化の目的もあって21年5月、七山、厳木、北波多の3事務所を閉鎖していた。厳木の事務所は残存し、北波多の事務所は22年夏に解体した。

 同協議会は七つのまちづくり団体と直売所など2社で構成し、21年10月にNPO法人化した。夏場に川遊びで多くの家族連れが訪れる鳴神公園周辺の景観整備を行うほか、現在は耕作放棄地を活用したアウトドア施設の構想を描いている。

 七山の事務所は1998年10月に竣工した。七山産のスギを使った木造瓦ぶき2階建てで、延べ床面積169平方メートル。活動拠点としての利用を要望した同協議会と七山地域の活性化を望む商工会の思いが一致し、5月下旬に開かれた商工会の総代会で決議した。

 23日に現地であった寄贈式で、冨永会長は「七山地域の若い世代が建物を受け継いで使ってもらえることに感謝したい」とあいさつ。岡本理事長は「先輩方の歴史が詰まった建物を拠点にチャレンジが始まる。温かい目で見守ってほしい」と話した。(松岡蒼大)