アマゾンジャパン(東京都)と公益社団法人Civic Force(シビックフォース、東京都)、NGOピースウィンズ・ジャパン(広島県)は25日、地震や大雨などの自然災害を想定した支援物資の輸送訓練を行った。兵庫県尼崎市の同社保管場所から、佐賀市の佐賀女子短大内の倉庫に支援物資を運び、手順の確認や課題を点検した。
尼崎市の保管場所はアマゾンが5月末に開設した。シビックフォースなどが災害支援の経験を通してリスト化した支援物資約千人分を保管している。災害発生時、2団体が現地で物資の必要性を判断してアマゾンに連絡、72時間以内に届く仕組みを目指す。
訓練は、佐賀市内で大雨による河川の氾濫や床下浸水が起き、避難所を開設した想定。約50種、1万5千点の中から寝具や衛生用品など約760点を選んでトラック1台で10時間かけて運び、同短大の備蓄倉庫に届けた。高速道路の渋滞で予定より1時間遅れたほか、倉庫に積んだ段ボールの中で目当ての備品がすぐに見当たらないことが改善点として挙がった。
同社尼崎フルフィルメントセンターの田中康弘ゼネラルマネージャーは「マニュアル化とトレーニングを行い、災害時、安全に支援物資を配送できる仕組みを作っていく」と話した。シビックフォースの根木佳織代表理事は「コミュニケーション不足で受け入れがスムーズにいかないなど反省点が多く見つかった。企業や各団体とやりとりを密にして備えたい」と気を引き締めた。(樋口絢乃)