全校生徒を前に講演する海堀あゆみさん=鳥栖市の鳥栖中

 2011年サッカー女子ワールドカップの優勝に貢献した元日本代表GKの海堀あゆみさん(36)が11日、鳥栖中で全校生徒618人を前に講演した。「鳥栖市教育の日」に合わせ同校PTAが主催した。海堀さんは自身の経験を基に、新たな挑戦や、同じ目標に向けて努力する仲間の大切さを説いた。

 海堀さんは、全国大会で優勝し、代表候補にも選ばれたサッカーを中学まででやめてテニスに転向し、高校在学中に強く誘われて再びサッカーに戻った。小学時代も図工、水泳など好きなことは何でもやったといい、「個人競技のテニスも自分の視野を広げてくれた。何にでも挑戦することで違った世界が見えてくるし、その後の自分に生きてくる」と語った。

 「自慢したい仲間と出会えたのが私の誇り」と仲間の大切さを強調し、「同じような目標を持って日々努力し、一人じゃできないことも乗り切れるような友達・仲間を見つけてほしい」と呼びかけた。試合前の準備の重要性にも触れ、「準備が99%結果を決めると思う。『これで大丈夫』と思えるまで練習しよう」と生徒に求めた。「自分を信じて迷いがないFWが一番怖い。その人は、それだけの練習をして臨んでいるから」と現役時代のエピソードも紹介した。

 生徒を代表し、サッカー部主将の長谷遙音さん(3年)が「仲間を大切に、高め合いながら中体連などに向け頑張りたい」とお礼を述べた。

 「鳥栖市教育の日」には学校、行政、家庭、地域社会の連携を目的に、全ての市立小中学校で授業参観を実施。学校ごとに地域住民を交えた意見交換会やインターネットトラブルをめぐる講演会などを開いた。(樋渡光憲)