高校生から高齢者まで幅広い表現の作品が並ぶ=佐賀市の県立美術館

 第105回佐賀美術協会展が16日、佐賀市の県立美術館で始まった。最高賞の美術協会賞をはじめ、洋画、日本画、彫塑、工芸の4部門で入賞、入選した一般公募と会員、会友らの作品286点が会場を彩る。25日まで。

 今年は4部門のうち3部門の最高賞が高校生。最も出品数が多い洋画部門でも高校生の作品が多く、若い感性で捉えた日常の一瞬、心の機微を細やかに、独創的に描いている。

 画材は岩絵具でも洋画のような雰囲気を併せ持つ日本画などが目を引く。彫塑では、腹ばいのクマの背に小グマが転がる愛らしい木彫りのほか、新聞紙を材料に元の素材を感じさせない作品も。針金や蝋(ろう)など多様な素材で創意工夫している。工芸は陶芸と染織が多くを占め、高校生のアイデアが光る作品も多い。

 高校生の作品を楽しみに訪れたという牛草香代子さん(68)=唐津市=は「純粋な感性ですごくいい。部屋に飾りたいと思える作品も多いですね」とにこやかに語った。北島治樹理事長は「表現も幻想的だったり、抽象、現代だったりと変化に富む。豊かな表現を楽しんでほしい」と話す。(福本真理)