寄付された食品を困っている人に無償提供する「フードバンク」や子ども食堂の団体などでつくる「佐賀県食でつながるネットワーク協議会」は14日、佐賀女子短大(佐賀市)と包括的な連携協定を結んだ。短大内の空きスペースに協議会の倉庫を設け、食品を一元的に管理する拠点とする。
学生募集停止となった栄養士の養成コースが3月まで使っていた3号館1階の3教室約527平方メートルを倉庫とし、名称は「セントラル倉庫」。食品関連事業者や企業から寄付された食品を保管、各団体が必要量を取りに来る。災害物資を備蓄するスペースもある。
協議会は昨年9月に発足、「フードバンクさが」など16団体と県で構成する。以前はそれぞれの団体が提供企業と個別に協議、保管していたが、量が多く収容できないケースもあった。今回、協議会で窓口を一本化し、受け入れ先となる倉庫の改装は県が800万円を補助した。
協定は、学生が地域理解を深めるための教育プログラムなど4項目で連携・協力するとし、倉庫を活動拠点に位置付け、学生も協議会の活動に関わっていく。14日に佐賀女子短大であった締結式では、今村正治学長が「食でつながる活動の場を提供できることは素晴らしく、学生と共に歩んでほしい」とあいさつ。協議会の共同代表を務めるフードバンクさがの干潟由美子理事長は「学生の力を借り、関係団体も巻き込みながら運営していきたい」と述べた。
協議会は今後、県内各地域に食品保管のハブ拠点を設け、効率的な物流を目指す予定。(円田浩二)