武雄市内の全教職員を対象に、教育現場での生成AI(人工知能)の利活用について学ぶ研修会が14日、開かれた。市特別顧問でタブレット端末を市内の全児童・生徒に配布した時の推進役だった東洋大経済学部の松原聡教授が講師を務め、活用のあり方を考える際の視点などを示した。
松原教授は、チャットGPTなど生成AIについて「日進月歩で進化している。いずれ音声、画像、動画などいろいろな場面で活用できるようになる」と指摘。実際に“走れメロス、感想、小学生”と打ち込み、表示された文章を示しながら「素晴らしい感想文ができあがる。評価せざるを得なくなる」と説明した。
実際に学校での活用について年齢制限や保護者の同意が必要など、すぐに影響することはないとしながらも「みんな活用するという前提で、さらに深く考える力を磨くという教育が必要ではないか」とし、「授業の資料作りなど先生の負担軽減にもつながるかもしれない」との見解を示した。
市校長会会長で武雄中の藤井昭三校長は「教育と公務の両面で検討しなければならない。今後、職員や保護者、子どもたちとも活用について話をしていきたい」と感想を述べた。
市教委では、文部科学省が「生成AI活用のガイドラインを夏休み前に公表する」との方針を受け、市内の全教職員が理解を深める必要があると考え、研修を実施した。(澤登滋)