佐賀県内で性的少数者の居場所づくりに取り組む団体「SOiGIEs(そいぎーず)」の共同代表で原告支援者の小林誠さん(56)=佐賀市=は、福岡地裁の傍聴席で判決を見守った。「すっと入ってこない、すっきりしない判決」と戸惑いつつ、「『違憲状態』という判決が出ること自体は珍しいこと」と一定の評価を示した。

 小林さんは口頭弁論も含めて12回中10回傍聴した。8日は福岡地裁で違和感を覚えた。傍聴者が手荷物検査を終えて法廷に入る前、裁判所側から「レインボーカラーのグッズを身に着けないで」との指示があった。自身も手首に着けていた多様性の象徴とされるレインボーカラーのバンドを「外してください」と言われ、ポケットに入れた。「他の地裁では聞いたことがない対応だった」という。

 小林さんは亡くなった原告団のメンバーを思い浮かべ、「(同性婚の)法整備を待っている人のために早急に制度をつくり、最高裁まで裁判の結果を待たなくていいようにしてほしい」と訴えた。(花木芙美)