移築5周年を記念し、連続講座が開かれる岡田三郎助アトリエ=佐賀市城内

 日本の近代洋画をリードした佐賀市出身の画家岡田三郎助(1869~1939年)のアトリエ移築5周年を記念した連続講座が、9日から開かれる。岡田について研究してきた県立美術館の松本誠一名誉顧問が多角的に岡田の魅力を紹介。現存最古の洋画家のアトリエ建築で、岡田の時代を思い描くことができる。

 岡田アトリエは1908(明治41)年ごろ、東京都渋谷区恵比寿に建てられた木造の洋風建築。2018年4月、東京から佐賀市の県立博物館東側に移築された。

 岡田は昭和天皇の即位の礼でも用いられた専用列車「御料車」の車内を飾った油彩画「野菊と薔薇(ばら)」を手がけている。昭和天皇が皇太子時代に描かれたもので、松本さんは「皇太子を野菊に、皇太子妃を薔薇に見立てることができる」と解説する。講座では、こうした作品に込められた意図を紹介し、裸婦像や美人画、風景画など岡田の作風の変遷や歩みを振り返る。

 開催日は、9、23日、7月7、21日、8月25日の午後3時から4時10分まで。各回20名程度。先着順。事前予約は不要。(福本真理)