必死に綱を引く子どもたち=唐津市呼子町

必死に綱を引く子どもたち=唐津市呼子町

4日の大人綱に向け、綱の中心部「ミト」作りに励む若衆たち=唐津市呼子町

4日の大人綱に向け、綱の中心部「ミト」作りに励む若衆たち=唐津市呼子町

 国の重要無形民俗文化財に指定されている唐津市呼子町の「呼子大綱引」が3日、「こども綱」で幕を開けた。新型コロナの影響で4年ぶりの開催を待ちわびるかのように、子どもたちが元気なかけ声で綱を引いた。

 名護屋城に居城していた豊臣秀吉が将兵の士気を高めるため、軍船の綱を引かせたという故事にちなんだ町の伝統行事。法被(はっぴ)を身にまとった子どもや保護者約300人が岡組と浜組に分かれ、約250人の観客が見守る中、3本勝負を繰り広げた。

 1勝1敗となり、両組が「絶対勝つぞ」と気勢を上げて3戦目を迎えた。浜組が約2分で制し、前回(2019年)の雪辱を果たした。綱の中心部「ミト」に乗って浜組を率いた呼子小6年の富永恵美琉(えみる)さんは「2戦目は負けて悔しかったけど、みんなで声を合わせて協力して引けたから勝利できた」と汗を拭った。

 主催する呼子大綱引振興会の小林昌克会長(63)は「久しぶりに子どもたちが元気に引く姿を見られてうれしかった」と話し、餅まきで再開を祝った。午前中は若衆たちが4日の大人綱に向け、「ミト」作りに汗を流していた。大人綱は午後1時半から三神社前で行われる。(松岡蒼大)