嬉野市塩田町の春和工房は石瀧春義さん(75)が営む木工品の工房です。石瀧さんは住宅建築の大工で、伐採後に残ったケヤキの大株を活用したいと「ケヤキ丸火鉢」を1975年に完成させたのをきっかけに工房を設立しました。現在は主に黒柿の茶道具や、化粧棚などを制作しています。
「黒柿に出合ったからこそ今まで続けられた」と語る石瀧さん。黒柿は樹齢150年以上の柿の木にまれに出現するもので、加工すると黒と白が織りなす模様が美しく、最高級の加工用木材として珍重されています。石瀧さんの茶托たくや茶筒などの作品は孔く雀じゃく木目や黒と白のコントラストが美しく、自然の風合いをそのまま生かしています。
昨年体調を崩し入院生活を余儀なくされたそうですが、新型コロナ感染症が落ち着き、秋に個展を開催予定だそうで、アイデア満載の創作活動に日々励んでいます。
(地域リポーター=二宮幸枝=江北町)