国土交通省は31日、災害時に私有地の電柱が倒れて道路をふさぐのを防ぐため、設置届け出を義務付ける新制度で、国道34号鳥栖インターチェンジ(IC)-鳥栖市役所間の延長2・5キロを「届出対象区域」に指定した。九州では初めてで、6月1日から運用を開始する。

 国交省は昨年10月、鳥栖市を含む全国8カ所で運用を始めると発表していた。対象となった国道34号は国直轄で、緊急輸送道路。緊急時に支援活動の拠点となる鳥栖ICと鳥栖市役所を結ぶ片側1車線の区間で、電柱倒壊の影響が大きいと判断した。

 九州地方整備局は、沿道の地形や既存電柱の高さを調査し、沿道の土地所有者約260戸に、戸別訪問や郵送で制度を説明。5月31日に延長2・5キロを指定した。電柱を新設する際の届け出を義務化し、倒壊時に道路をふさぐ危険性がある場合は、設置場所の変更を勧告する。

 国交省は、緊急輸送道路の無電柱化を推進しているが、隣接する私有地で住宅新築などに伴い電柱が設置されるケースもある。このため、2021年3月成立の改正道路法で、規制できるようにした。(栗林賢)