佐賀では4年ぶりとなる定期演奏会を開いたアルモニア管弦楽団(提供写真)

 佐賀を拠点に活動するアルモニア管弦楽団(瀬戸要代表、久原興民音楽監督)が5月21日、佐賀市文化会館で定期演奏会を開いた。ピアニストの伊藤恵さんと指揮者の大友直人さんを迎え、ベートーベンの名作2曲を演奏して喝采を浴びた。

 伊藤さんは「ピアノ協奏曲第4番」で、優雅かつ軽やかにオーケストラと会話をして見せた。抑制の利いたドラマづくりで、誇り高く生きたベートーベンの哲学を感じさせた。

 「交響曲第5番」ではあまりにも有名かつスリリングな主題で、観客を興奮させた。寄せては返す波のように繰り返し盛り上がりを見せ、胸を締め付けるように高潔なラストへと上り詰める。カーテンコールの拍手は久原さんが登壇するまで続いた。

 大友さんは同楽団を「プロの演奏家やレベルの高いアマチュアがそろい、熱量と演奏水準が高い、本当に良いオケ」と高く評価。観客に「プロなのかアマなのかよく分からない、日本でも珍しいユニークなオーケストラ」と語り、笑いを誘っていた。

 同楽団は2002年に発足し、昨年20周年を迎えている。4年ぶりとなる佐賀での定期演奏会で、小学生を無料招待する企画に初めて取り組み、100人近くの子どもたちがオーケストラの生演奏に触れた。

 6月4日は佐賀市のSAGAアリーナで開かれる「With You! 佐賀県文化芸術祭」に出演し、エルガーの行進曲「威風堂々」など3曲を披露する。(花木芙美)