佐賀新聞社のメンバーズクラブ「新しい扉 Begin(びぎん)」の本年度第1回講座が27日、佐賀市文化会館で開かれた。伝統的な調べを奏でる雅楽の魅力を伝えている雅楽師・東儀秀樹さんが講師を務め、生演奏で奥ゆかしく艶やかな音色を披露した。好きなことを追求することで、「きっといつまでも楽しく生きていける」と語った。
冒頭、幕が開くとホールに雅楽の旋律が響き渡った。来場者がみやびな音色に浸り、目をつむって聞き入る姿もあった。「ハナミズキ」「ジュピター」などのポピュラーな楽曲も雅楽バージョンで披露され、会場を沸かせた。
東儀さんは、多くの人に雅楽を知ってもらう入り口にとの思いからテレビ出演や講演活動なども行っている。千年以上前からある雅楽は、世界最古の音楽芸術とも呼ばれるという。「日本でしか残っていないため、受け継いでいくことは世界規模での文化の継承になる」と説明した。
コロナ下で演奏会がなくなっていた日々を「配信は拍手が聞こえてこなかったが、今日は観客席の表情が見える」と振り返った。「音楽や芸術に癒やされることで気持ちが救われる。さまざまな個性や表現、創作を楽しむ魅力があり、人の心を動かす力にもなる」と語った。
約1300人が聴講した。佐賀市の70代女性は「素晴らしいお話と演奏で感激した。幸せなひとときでした」と話していた。(中島幸毅)
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