佐賀県内の実力者の作品が並ぶ「葉がくれ書会展」が、佐賀市の県立美術館画廊で開かれている。同市の竹之内幽水さんや山田博道さんら15人の会員が、熱のこもった書作品を展示している。28日まで。
同市の古賀龍雲さんは、ススキの穂を束ねて自作した筆など、書作に用いた道具も作品とともに展示している。与謝野晶子の短歌など3点を出展した同市の小路丸遊石さんは「釈文にも作品への思いや哲学がこもっている」と話す。神埼市の志岐雲峰さんは日展にも出品した「船乗りの母」を、目にまぶしい青い布に書いた。
同会は1954年、中林梧竹に師事した大坪柊軒さんらが梧竹研究会として立ち上げた。毎月自作を持ち寄って意見を述べ合う例会は、今月830回を迎えた。設立当初から参加している佐賀市の米倉基峰さん(90)は「会員は全員が研究熱心。書に対しての熱意が作品に表れている」と話していた。(花木芙美)