国土交通省九州運輸局は17日、佐賀県内のタクシー運賃について「改定が必要と判定した」と発表した。事実上運賃の値上げが決まり、運輸局は今後、新しい運賃を決めて公表する。改定は2020年2月以来となる。

 鳥栖市のタクシー事業者が1月に、九州運輸局佐賀運輸支局に運賃値上げを申請していた。運輸局は申請から3カ月間で県内のタクシー989台(個人タクシーを除く)の7割を超える事業者から申請、要請があれば、運賃変更の審査に入るとしていた。86%に当たる850台の32事業者が申請、要請をした。

 普通車の初乗り運賃(1・5キロまで)は現在730円で、30~220円値上がりする見込み。県バス・タクシー協会は「多くの事業者が厳しい状況だと数字に表れた。心苦しいが仕方がない」と理解を求めている。

 改定の必要性を認めた判定について、運輸局は「要請があった事業者は収支状況が赤字のところが多かった」と説明した。今後、事業者への聞き取りなどを経て、10月中旬に新運賃の公表を目指す。(草野杏実)