国内有数の麦産地・佐賀平野は「麦秋」を迎えている。実った穂が初夏の風に波打ち、黄金色のじゅうたんのような景色に目を奪われる。佐賀市川副町では二条大麦の刈り取りが進み、一足遅れて小麦も5月下旬から収穫時期に入る。
一面の麦畑が広がる同町ではコンバインの音があちこちで響き、生産者が収穫に追われている。農事組合法人の仲間と作業していた西村博さん(67)は「出来は平年並み。雨次第だが、今のところ順調に刈り取りできている」と話す。
大麦と小麦を合わせた佐賀県内の作付面積は2万2千ヘクタール(2022年産)で、北海道、福岡県に次ぐ全国3位の規模。ビールや焼酎の原料となる二条大麦に限ると日本一の産地を誇る。麦の収穫を終えると、二毛作で米や大豆が生産される。(写真と文・米倉義房)