絵本作家で詩人の手島妥江さん(42)=神埼市=と、陶芸家の才津洋子さん(52)=同市=が絵本を出版した。挿絵には、地元の脊振町の自然を参考にした場面もあり、人との出会いを通して成長する大切さを伝えている。
絵本『しろのてがみ』は、親ネコと離れた子ネコの「しろ」が、母ライオンや村人との出会いや別れを通して自立していく物語。手島さんが20代の頃、東京の翻訳会社に勤務した後、佐賀に移住した時に出会った人々との経験を基にしている。才津さんが手がけた挿絵のうち、桜の木や田畑が広がる里山の風景は、脊振町広滝の景色を参考にしたという。
昨年12月に出版し、神埼市内の図書館や小学校、公立保育園をはじめ、佐賀県立図書館や佐賀市立図書館などでも読むことができる。2人は「かわいらしい絵を見たり、物語を自分の人生に置き換えて読んだりと、子どもから大人までそれぞれの楽しみ方で読んでほしい」と話す。
『しろのてがみ』は、みらいパブリッシング刊、1540円。(樋口絢乃)