季節の花や花器を生かした作品が多数並んだ=佐賀市川副町の明蓮寺(提供)

 いけばな小原流佐賀支部の溝田至遙(しよう)さん(87)=佐賀市=の米寿を記念した、長女の穴井貴遙(きよう)さん(61)との親子花展がこのほど、同市川副町の明蓮寺で開かれた。琳派の絵画をイメージした5点の連作からなる大作、ハナショウブやカエデなど季節の花を生けた作品が並び、2日間で約150人が訪れた。

 記念展らしく、一本松に和服の帯をかけた華やかな迎え花が来場者を迎えた。和洋を融合した一角では、カクテルグラスのようなガラス花器に、モンステラの葉と大きな薄い紅色のダリアを生け、水辺に浮かぶスイレンのように表現した。

 これまで出会った人たちからの恩や徳への感謝を込め、浄土真宗で法話などの後に歌う「恩徳讃(おんどくさん)」を展示会のタイトルに付けた。至遙さんは「ルーツである実家の明蓮寺で親子展を実現できてよかった。『作品を見ると心が癒やされた』などの感想をいただけてうれしかった」と話した。(坂本有佐)