マツの葉の色などを目視しながら、枯れ木に印を付ける参加者たち=唐津市の虹の松原

 国の特別名勝虹の松原(唐津市)の松くい虫の被害を防ごうと、マツの総点検が11日、松原一帯や鏡山の一部で行われた。行政関係者や地元の高校生など約50人が参加。感染源になる枯れた木に印をつける点検に取り組み、今年は641本が見つかった。

 新型コロナの感染予防のため2020年から中止となっており、4年ぶりに実施した。「マツノマダラカミキリ」が枝をかじると線虫が入り込んで、マツを枯らしていく。被害木が2千本を超える年もあり、予防策として薬剤散布や総点検に取り組んでいる。

 参加者は6班に分かれて、208ヘクタールの松原全体と鏡山を調査。葉が茶色に枯れているかなどを目視し、枯れたマツに白いテープを巻いていった。今後は管理者の佐賀森林管理署が確認し、伐採などして駆除する。

 主催した県森林病害虫等防除連絡協議会の吉田成章会長は「感染病のようにゼロにすることは難しいが、一本でも被害を少なくしていきたい」と話した。22年度に伐採などの処分をした被害木は818本だった。(横田千晶)