佐賀-福島 コート中央上に大型ビジョンを備えたSAGAアリーナで熱戦を繰り広げる選手たち=佐賀市日の出

 先週末、バスケットボール男子・Bリーグ2部のプレーオフ準々決勝の2試合がSAGAアリーナで行われた。われらが佐賀バルーナーズの対戦相手は福島ファイヤーボンズで、佐賀が2連勝し準決勝進出を決めた。

 SAGAアリーナのグランドオープンは13日だが、B1昇格がかかった大事なホーム戦となる準々決勝と準決勝(13~15日)を素晴らしい舞台で戦えるように、山口祥義知事がオープン前でも試合をできるようにした。

 山口知事のスポーツへの理解は深く、その表れがこのSAGAアリーナだ。先月開かれた佐賀政経懇話会でも、知事は「光を放つ―SAGAサンライズパークから見える佐賀の未来」と題して講演し、その思いや狙い、今後の展望を語った。

 知事が関心を寄せているのは「スポーツツーリズム」。スポーツ資源とツーリズムを融合する取り組みで、既存のスポーツ資源のほかにも地域資源がスポーツの力で観光資源となる可能性も秘めている。スポーツをする、観(み)る、支えることにより、経済効果や交流人口の拡大や地域の情報発信が期待できる。

 また、欧米では観戦チケットに良質な飲食やエンターテインメントなどの付加価値の高い体験を組み合わせて提供する観戦スタイルがよく知られている。SAGAアリーナも、観戦だけではなく、飲食もゆっくり楽しんでもらおうと全席にドリンクホルダーを完備。私は以前、ある体育館で食べ物を手に持ち、ドリンクを床に置いて観戦していて、隣の人が動く度にこぼれないか気になり、観戦を度々中断していたことがあった。この気遣いがうれしい。

 さらに、特別な空間を提供するプレミアムフロアが設けられ、用途に合わせて部屋を使用できる。プレミアムラウンジに入ったが、メインアリーナからそう遠くなく観戦もしやすい。広々と、リッチでぜいたくなフロアである。

 エンターテインメント性も優れている。国内初となる三つの大型ビジョンの標準装備である。スポットライトもハイクオリティーで、まるでコンサート会場。私は昨年末、東京ドームシティホールで日本代表としてミス・インターナショナル世界大会を終えたのだが、SAGAアリーナで世界大会をしてみたい。出演者も心から楽しめるに違いない。

 6月にはB’z、7月にはNiziUや松任谷由実さんのライブコンサートを控える。ぜひSAGAアリーナを満喫していただきたい。会場の裏導線にもかなり気をつかっているとのことで、観客・演者・裏方、全ての人の満足を考え、細かいところまでこだわり抜かれている。

 山口知事は「長崎の長崎スタジアムシティプロジェクトはジャパネットグループが開発しているのに対し、佐賀は県と市と民間で力を合わせている」と述べ、「佐賀の強みは『人と人』。佐賀はみんなで一つになってやっている」と語った。そして「国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会のためだけではなく、その先もずっと県民が楽しめる施設をつくった。(県民に)普段使いをしてほしい」と言っていた。

 私も試合観戦して実感した。SAGAアリーナ、ひいては、SAGAサンライズパークは、全ての「人」に尽くされた持続可能なエンターテインメント空間である、と。佐賀のこれからがとても楽しみです!

 まだまだここには魅力を書き切れないので、今週末は佐賀バルーナーズのB1昇格を願って応援しつつ、SAGAアリーナ、サンライズパークも楽しんで来てくださいね♪

松尾綺子(まつお・きこ) 佐賀新聞社の記者で、2022ミス・インターナショナル日本代表、ミス・インターナショナル・アジア。1999年7月10日生まれ。佐賀市出身。佐賀大附属小-附属中-佐賀清和高卒。東京女子大学への進学を機に翻訳の仕事を始める。