絶滅危惧種の渡り鳥のコアジサシが、佐賀市諸富町の諸富浄水場跡地に飛来している。10日からの愛鳥週間を前に、9日現在で26ペアが抱卵中。昨年は8ペアから25羽のひなが巣立っており、保護を担う日本野鳥の会佐賀県支部の会員が期待を込めて見守っている。
コアジサシは卵を温めたり、えさの小魚を求めて忙しく飛び回ったりしている。“独身”のオスがメスに小魚をプレゼントする「求愛給餌」も観察でき、5月中旬からはひなの姿も見られそうだ。
全国的に繁殖に向く荒れ地や砂浜などが減る中、毎年飛来してくる諸富浄水場跡地は貴重な存在。同支部は天敵のネコやカラスの食害を防ぐため、昨年から保護柵やひなの“隠れ家”を設置し、連日の監視も欠かさない。宮原明幸支部長(69)は「一羽でも多く巣立ち、絶滅の危機を救う一助になれば」と話す。(写真と文・中島克彦)