武雄市が所蔵する資料で中心的な存在となるのが、2224点の国重要文化財「武雄鍋島家洋学関係資料」です。「洋学」とは、江戸時代にオランダを通じてもたらされたヨーロッパの最新の学問のことで、「蘭学」とも呼ばれます。
佐賀藩は、西洋との唯一の窓口であった長崎の警備を担当していました。佐賀藩の家臣で江戸時代後期の武雄領主・鍋島茂義は、長崎警備に関わるなかで、対外的な危機意識からヨーロッパ式の大砲や軍事学を導入します。
また、蘭学・洋学に関わる書籍や珍しい品物を多く集め、研究を行いました。それらの成果は佐賀藩にもたらされ、やがて佐賀藩は日本の近代化に大きな影響を与えるのですが、その契機となったのは、武雄での先進的な研究でした。