武雄競輪(武雄市)は2020年度から好調な売り上げが続いており、21年度から市一般会計への繰り出しが3期連続で億単位を超える見込みとなった。新型コロナウイルスの感染拡大による無観客レースや車券の対面販売中止で、売り上げの大幅減が予想されたが、ネット販売が好調で市の財源確保にも大きな役割を担うようになってきた。

 競輪の車券売り上げは20年171億円、21年252億円、22年222億円と好調を維持している。市一般会計には18年から8千万円ずつ繰り出しを始めた。これは施設改修に伴う費用5億円を、16年に市一般会計から競輪事業会計に繰り入れたもので、18年から毎年8千万円を返すことになっていた。

 しかし20年の売り上げが前年の141億円から30億円アップしたため、翌21年度の市一般会計に2億8千万円、22年度は3億8千万円、23年度も当初予算では2億5千万円を繰り出す予定にしている。コロナ禍でビッグレースの中止や車券売り場を閉鎖したのが19年。ネット販売に車券売りをシフトした翌年20年から売り上げが伸び始めた。

 当初、高齢のファンが多い競輪は、競馬や競艇と比べてネット販売の利用は低いと予想されていた。車券の対面販売中止で高齢のファンは離れていったが、コロナの影響で店に行けなくなったパチンコファンが競輪にも興味を持ち始め、新たなファン層の開拓につながったとみられる。