★2010年度生まれ★名前ランキング★

 佐賀新聞で2022年度に掲載した「みんなの夢」から、県内の小学6年生(同年度)7425人分の名前を集計した。2010年度に生まれた佐賀の子どもたちの名前で最も多かった漢字表記は「大翔」(30人)となり、2年ぶりに首位へ返り咲いた。読みでは「はると」が77人で2位以下に水をあけ、2年連続最多となった。

 

 
 


幅広い読み方がある“懐の深さ”

 2位以下の漢字表記は「蓮」27人、「翔太」22人、「悠真」21人と続いた。2021年度分の集計で同率1位だった「結衣」と「葵」は、「結衣」が20人で「蒼空」と同率5位、「葵」は19人で「莉子」と同率7位だった。読みでは「ゆい」が66人で前年に続く2位に入り、「そら」65人、「こうき」61人、「ゆうと」58人、「あおい」54人などと続いた。
 1位の「大翔」は、名前の集計を始めた14年度掲載分(02年度生まれ)ごろから常時トップ争いを繰り広げる人気の名前。読み1位の「はると」のほか、「ひろと」「たいと」「まさと」などと読ませる例があり、大きく羽ばたくイメージの字面と合わせて、幅広い読みが当てられる懐の深さも人気の理由とみられる。
 2位「蓮」や3位「翔太」は、読みがほぼ1種類ながら票を伸ばした。響きが特徴的な「蓮」も近年、トップ争いの常連。「翔太」は前年度、ランキング圏外だったが、20年度7位、19年度9位、17年度7位と、こちらも従来からよく上位に入る名前と言えそうだ。表記が平仮名の名前では、36位の「ひなた」11人が最も多かった。
 読みで2位に11人差を付けた「はると」は、漢字表記の多様さが特徴。「はる」は「春」「晴」「陽」「遥」「悠」、「と」は「人」「斗」「翔」「登」などがあり、組み合わせで親の願う人柄や個性を表現しているようだ。4音以上の名前では11位の「ゆうせい」45人が最多だった。(志垣直哉)

 

 

2010年の出来事 政治の混乱目立った1年

 2010年は政治の混乱が目立った。前年の衆院選で政権交代を果たした民主党(当時)は、6月に鳩山内閣から菅内閣に政権を移した直後の参院選で大敗し、衆参両院で多数派が異なるねじれ国会となった。参院選は県内でも、前年の衆院選で落選した自民の福岡資麿氏が民主新人に圧勝し初当選した。
 9月には沖縄県・尖閣諸島周辺の領海内で、中国漁船が海上保安部の巡視船に衝突し、日中関係が悪化。衝突時のビデオ映像は神戸海上保安部の海上保安官がインターネットの動画サイトに投稿した。
 佐賀県と国の関係では、国営諫早湾干拓事業の開門問題が大きな転機を迎えた年だった。潮受け堤防排水門の5年間常時開門を命じた福岡高裁判決について、菅直人首相が上告せず、開門調査が決まった。

2010年の重大ニュースを伝える佐賀新聞の1面


 自然の厳しさが社会を揺るがす年でもあった。記録的な猛暑により、県内では8月までの2カ月間で熱中症の搬送者が300人を超え、3人が亡くなった。宮崎県では口蹄疫が発生し、約29万頭の内や豚が殺処分されるという戦後最大の畜産被害に。県内でも家畜の競りが中止された。
 科学分野では明るい話題も。探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワの微粒子を地球に持ち帰った。月以外の天体との往復は世界初の快挙。ノーベル化学賞を日本人2人が受賞した。
 県内ではその他、早稲田大学系属の中高一貫校として早稲田佐賀中学・高校が唐津市に開校。県内をロケ地とした映画「悪人」や「ソフトボーイ」が公開されヒットした。(志垣直哉)

 

●●● 県内10大ニュース ●●●

(1)猛暑、熱中症患者が急増
(2)諫干訴訟で国が上告断念、開門調査へ
(3)口蹄疫 広がる不安、競り中止も
(4)参院選、自民福岡氏が圧勝
(5)新幹線新鳥栖駅、来春開業
(6)早稲田中高一貫校、唐津市に開校
(7)県内ロケ「悪人」「ソフトボーイ」話題
(8)記録的豪雨、3700世帯に避難勧告
(9)黒澤記念館、建設計画を白紙撤回
(10)新県立病院、佐賀市嘉瀬町で着工

開門を命じる判決に支援者らと喜ぶ原告団=2010年12月6日、福岡市の福岡高裁前

 

 

●●● 国内10大ニュース ●●●

(1)尖閣で中国漁船が巡視船に衝突。ビデオ流出騒ぎも
(2)参院選で民主党大敗
(3)厚労省元局長に無罪判決。特捜検事らを逮捕
(4)普天間移設で日米合意。鳩山内閣辞職、菅内閣誕生
(5)宮崎県で口蹄疫の被害拡大
(6)猛暑による熱中症多発、死者も
(7)小惑星イトカワから探査機「はやぶさ」帰還
(8)所在不明の高齢者次々。「無縁社会」深刻
(9)ノーベル化学賞に根岸英一、鈴木章両氏
(10)円高が進行、15年ぶり高水準