全国の実力者が集う「ジャパンカップ」で、4位入賞を果たした福海史弥さん=唐津市の福花生花店

「ボーダーレス~無限の可能性」をテーマにした一次審査の作品。竹と松の異素材を組み合わせ、一輪のボタンが花開いている=提供

全国の実力者が集う「ジャパンカップ」で、4位入賞を果たした福海史弥さん=唐津市の福花生花店

「ボーダーレス~無限の可能性」をテーマにした一次審査の作品。竹と松の異素材を組み合わせ、一輪のボタンが花開いている=提供

 フラワーデザインの日本一を決める「ジャパンカップ」で、唐津市和多田の福花生花店スタッフ・福海史弥さん(42)が4位に入賞した。マツや竹など異素材で空間をつくり、一輪の輝きを表現。福海さんは「『最高の一輪挿しを』と思ってデザインした。田舎だからと諦めず、最先端の技術をお客さんに提供していきたい」と笑顔を見せた。

 全国ブロックの代表、昨年の大会上位入賞者など86人が参加。4月15、16日に東京都で開かれ、佐賀県からは3人が出場した。

 大会の一次審査は、「ボーダーレス~無限の可能性」がテーマ。立体的な竹のリースやマツの古木を組み合わせ、ボタン一輪の存在感が光った。セミファイナルは花束、10人が選ばれるファイナルはディスプレーで、即興で花材やインテリアを組み合わせて作品を手がけた。総合得点で4位になり、昨年度の16位から躍進した。

 福海さんは19年前から実家の花店で働き、ジャパンカップには6度挑戦してきた。佐賀美術協会会員として絵画も手がけていて、「目の錯覚を生かした手法も考えながら制作している」と福海さん。「この日に合わせた花の開き具合に腐心して、1位を取るつもりでやってきた」と振り返る。

 一輪を生かした作風を貫き、「緑の中にパッと咲く一輪の花には、存在感がある。仏像と対峙(たいじ)した時のように、背中がぴんとする緊張感ある作品が目標」と力を込める。(横田千晶)