「今、あなたに贈りたい漢字コンテスト」で最高賞の絆大賞に輝いた射手矢優太さん=佐賀市の成穎中

 家族や友人など大切な人への思いを漢字1字に託す日本漢字能力検定協会の「今、あなたに贈りたい漢字コンテスト」の中学生部門で、成穎中(佐賀市)3年の射手矢優太さんが最高賞の絆大賞に輝いた。得意料理の卵焼きの味と、優しい態度に共通する「甘」の文字で妹への思いを表現した。

 射手矢さんは得意の卵焼きを4歳下の妹に作ってあげる時、いつも砂糖を多めに味付けしている。卵焼きを食べた妹が「にいにの卵焼きは甘くておいしいよ」と笑顔で言ってくれ、幸せな気持ちになるという。妹に対しては性格が甘くなる自覚もあり、「甘」の文字を贈ることを思い立った。

 審査員からは「兄と妹、お互いを想(おも)う気持ちがふんわりと優しく伝わるエピソードにこちらまで心が甘くなりました」と評価された。

 射手矢さんは普段から家族のためによく料理をしており、母親から「自分が作るよりおいしい」と言われるほど。「応募する時に真っ先にこの文字が浮かんだ」と受賞を喜び、「次はコロナで会う機会が減った大阪に住む祖父母に振る舞ってあげたい」と話した。

 コンテストには、小学生から大学生・一般までの4部門に約5万点の応募があった。小学生部門で、鳥栖小(鳥栖市)4年の江崎遥斗君が最高賞に次ぐ日本漢字能力検定協会賞を受賞した。(北川尊教)