唐津市七山の馬川地区にある馬川宗吾霊堂で、フジの花が見頃を迎えている。樹齢100年以上の「宗吾郎フジ」と呼ばれ、新緑とともに淡い紫に色づいている。
霊堂は、江戸時代に重税に苦しんだ佐倉藩(千葉県)の領民を救おうと、将軍に直訴したという義民・木内惣五郎の分霊を祭っている。農民の守護神として親しまれ、明治期に植えられたフジは地元住民が代々守ってきた。区長の吉原二三夫さん(61)は「今年は特に花がついている」と話し、見頃は4月末までを見込んでいる。
看板を見て偶然立ち寄ったという神埼市の会社員・坂田鈴さん(28)は「傾斜でフジの花が連なってきれい。ゆっくり見られて良かった」と笑顔だった。(横田千晶)