多久市出身の写真家田川清美さん(73)が1980年代後半に役者や音楽家など著名人を撮影した巨大パネル24枚の展示が27日、同市北多久町の市中央公民館で始まった。圧倒的な存在感を放つ作品が並ぶほか、田川さんが撮り続けた女優の故夏目雅子さんのパネル写真も展示されている。入場無料、5月14日まで。
同市立図書館創立100周年事業の第1弾として市と同図書館が主催。写真は田川さんの「肉体温度」シリーズの作品で縦260センチのパネルに収められている。20年以上前に市に寄贈され、2004年に市役所などでお披露目されていた。
3月に71歳で死去した音楽家坂本龍一さんの写真は1986年の東京・渋谷公会堂のステージ直後に撮ったもので、妖艶な雰囲気が漂う。元大関小錦さんは稽古直後で汗が噴き出し、肉体からエネルギーがあふれている。宇崎竜童さん、所ジョージさんは舞台の緊張感から解放されておどけた表情を見せ、俳優の柴田恭兵さんは鋭い視線を投げかける。森繁久弥さん、平幹二朗さん、仲代達矢さんら大御所の写真も並ぶ。
田川さんは、夏目さんをデビュー前から撮影していたことでも有名。夏目さんの死去後にテレビCMで話題になった写真など25点を展示している。
「人間の魂を撮りたい」と活動を続ける田川さんは「多くの人に見ていただき、自分なりに魂を感じ取ってほしい」と話す。29日午後1時半からは、田川さんによるトークイベントを予定。月曜休館。(市原康史)