洋画やポーセリンアートなど多様な作品が並ぶ=佐賀市の高伝寺前村岡屋ギャラリー

 洋画の井上良子さん(85)=唐津市肥前町=の個展が佐賀市の高伝寺前村岡屋ギャラリーで開かれている。海外で学んだ油彩や古マイセン技法を生かした、エレガントなポーセリンアート、身近な自然を捉えた油彩画約50点を展示している。30日まで。

 約40年前、夫と共にブラジルに渡り、現地で油彩を学んだ。帰国後は陶絵付け教室でマイセン絵師に出会い、ドイツに短期留学した。会場にはマイセン特有の紫がかったピンクが施された器、華麗な花々が咲き誇る陶板などヨーロッパの雰囲気が漂う作品も多く並ぶ。

 2018年に県展の知事賞に輝いた作品は、猛暑の中でうなだれるように枯れるヒマワリがモチーフ。「道具は何かは秘密」という点描シリーズは、自宅の庭になるヒョウタンは落ち着いた色合いで、フランスのモンサンミッシェルはカラフルに仕上げる。井上さんは「背景と点描の色彩の調和が面白く、これからも研究したい。多様な作品を楽しんでもらいたい」と話す。(福本真理)